あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
 このとき、すごく不思議な気持ちになった。
 彼の綺麗な顔やカッコいいスタイルは、一番の武器になっていると思っていたから、今の言葉とはズレている気がしたのだ。
 彼はまるで自身の見た目を全否定するかのように重要じゃないと言い切った。

 その綺麗な顔を武器にホストをしていたのだろうし、他よりその武器が優れていたからナンバーワンにまでなれたのではないのかな?

 そんな考えが頭に浮かんだが、さすがに口に出せなかった。
 彼は今はこの会社の社員であり私の同僚で、ホストは辞めているのだから。

 今でも当然モテるだろうけれど、ホスト時代は王子様だのなんだのと女性にもてはやされ、(きら)びやかだったはずなのに、その世界を出てここにいるのだ。

 自分の見た目は武器にしない。
 彼がホストを辞めたのは、その決意の表れのような気がした。

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