あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「別に避けたわけじゃ……。ていうか、放して」

「嘘つくならこのままキスするよ?」

 ――― キス?!

 彼は突拍子もない発言をしたけれど、キスなんてしないだろう。冗談に決まっている。
 たった今、社長に好きだと告白したばかりだもの。

 そんな冗談を言えば私があわてふためくと思ってからかっているのだ。その手に引っかかってなるものか。

「ほんとに避けたりしてな……っ……」

 言葉を最後まで言わせてもらえなかった。 
 私の唇を、柔らかくて温かいものが塞いでいる。

 驚いて完全に体がフリーズしてしまった私の唇を、架くんは自身の唇と舌でやさしく開かせようとしていた。

 本当に彼はキスをしてきたのだと、ようやく頭が働きだしたところで、両手で目の前の胸板を押せば、架くんは私からスッと離れていった。

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