私のダーリン
かなみと晴人
慌ただしく、朝の支度をしていると
ピン!
スマホがメールを知らせる。
「うん?こんな早くだれ?」
隣の部屋から頭をわしゃわしゃしながら
晴人が起きてきた。
そう、衣装部の主任をする
晴人は、
私の恋人。まだ、知ってるのは
同期のみゆきだけ。
「かなみ?どうした?難しい顔して?」
「あっ。おはよ。
新人の松中がしばらく休みたいって?」
「何か家庭の事情か?」
「何も理由がないのよ。」
「心配だな。俺たちが聞くより同期の
笹本に連絡してもらったらどうだ?」
「そうね。それがいいのかも。まぁ、
ここのところ忙しかったし、有給休暇で
申請しとくは。」
晴人が、私の身体を引き寄せて
「かなみ。優しい上司だな。」
クシャッと笑って私を見る。
「そんなんじゃ‥フッあっ」
私の唇を舐めるようにチュとすると
口内を舌先が掻き回す。
「あっん、だめ、仕事‥」
「そんな顔すんなよ。やめらんないからさ。」
「馬鹿!」
彼の胸をそっと押さえる。
「今晩、早いから続きは後だ。」
「そんな事言ってない‥」
真っ赤になって下を向く。
普段は、出来る女のかなみ。
俺の前では、
少し天然なかわいい彼女。
「晴人、先に出勤するから鍵お願い。」
「一緒にでないのか?」
「誰が見てるかわからないでしょ。」
「俺は、別に気にしないがな」
「でも‥。晴人モテるしね。外野がうるさい
もの。」
「なぁ、そんなの気にするな。堂々と
俺の隣に居ろ。」
「晴人‥。」
「今、支度するから、オフィスの近くのカフェ
で、軽く朝飯してくか?」
「うん。晴人がいいなら。」
「いいに決まってる。」

晴人は、時々、私をドキドキさせる事を
しれっと言ってのけるから
心臓もたないよ。



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