ガリ勉×メガネ=?
「大滝を手伝っていたのか?」

「は、はい」

 慌てて頷く。さっきのキスと今の緊迫した展開に、まだ顔が火照っている。

「ちょうどいい。5時限目のお前たちの授業で使う地図を持って行ってくれないか」

 巻いてある大きな地図が差し出されると、葉菜が受け取る前に、さっと前に出たレンが代わりに受け取った。

「………」

 なぜか黙り込んだままじっとこちらを見る先生。葉菜より先にレンが受け取ったのに気を悪くしたのだろうか?

「……頼むぞ」

 それだけいうと背中を向けて作業に没頭し始めた。

 資料室をでてしばらく進んだところで、回りに人気がないのを確かめたレンが立ち止まる。

「どうかした?」

「お前、気をつけろよ」

「は? なにが?」

「下着の線、透けて見える」

 自分を見下ろすと、レンの指が伸びて来て薄いブラウスの上からビンク色をしたブラジャーのストラップをなぞった。

「なななっなんなんなんなっ!」

 意味不明の言葉を吐きながら胸を庇い、慌てて飛びのく。

「夏なんだから透けて見えないようにもっと地味なやつをつけろ」

 突き放すようなレンの言い方にカッとなる。

「なにを身につけようと私の勝手じゃない」

「だめだ。これは命令だ」

 怒りの炎を宿し一層深い青になった目に射すくめられて、どんなブラジャーをつけようと勝手でしょ! 投げつけてやりたかった言葉も飲み込んでしまった。

 ……だめじゃん、自分。
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