ガリ勉×メガネ=?
「で…って?」

「他には?」

「他?」

 レンがなにをいいたいのかわからない。

「瀬戸口」

 まるでキーワードのように、先生の名前をいう。

「ああ、先生? 保健室に連れてってもらったんだけど、瀬戸口先生って案外ドジで……いたっ」

 急にレンが掴んだ腕に力を込め、その強さに顔をしかめた。
 見るとレンの表情は先程と違い、そこに笑顔はなく、眉間を寄せた険しい表情に取ってかわっていた。明らかに不機嫌そうだ。

「瀬戸口がドジかどうかは関係ない」

 ギロリと睨まれる。
 なっなんで怒ってるのー!?
 葉菜はうろたえるしかなかった。

「瀬戸口に体を触らせたな?」

「触らせたって……」

 保健室へ運んでもらったことをいってるのかな。

「あれはっ大丈夫だっていったのに先生が慌てて……」

「で、やさしい瀬戸口に甘えたわけか」

「甘えたつもりない!」

 レンのいいかたに、いつの間にか腹を立てた私は強い口調で返していた。

「抱き上げられて、まんざらでもなさそうな顔をしていたのは誰だ?」

 売り言葉に買い言葉。どんどん過熱していくぶつかり合いに、自分の口から思ってもいなかった言葉まで飛び出した。

「だってそれは、相手は格好いい大人のひとだし、ちょっとは嬉しいっていうか……女の子だったら誰もが考えることだよ!」

「くだらない!」

 乱暴に吐き捨てられる言葉。まさかこんなにレンが怒った姿を見るとは思いもしなかったし、今だにその怒りが何に向けられているのかわからなかった。しかも相変わらずレンの傲慢な言葉の数々に自分も腹を立てていて、怒りが収まらない。
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