嫌なアイツ
「翔君?今日の晩ご飯は?食べて帰って来るのかしら?」
と母が訊いた。
翔はそのつもりなんですけど…
と答えると。
「じゃ二人でゆっくりデートを楽しんでらっしゃいね。遅く成る様だったらまた連絡をくれればいいから。」
そう言った母…
なんか?
なんか?
違うくない?
焦点がずれてると言うのか?
そう思いながらも…
《行ってきます!》
と二人で母にいい翔は車のエンジンをかけ走り出した。
車は海岸線を走ってた。
私が何処へ行くの?と訊いても返事は内緒!のまま…
私は外の景色を観てた。
真っ暗な空に欠けた月が浮かんでた。
『愛莉?』
名前を呼ばれたから翔の方を向くと…
『後もう少しで着くからね。』
と言う翔に私はうんと返事をし頷いた。
広い駐車場に車を停め翔が…
『愛莉!着いたから降りるよ!』
とテンションの高い翔に…
解ったと返事をして車を降りる。
車のロックをし私の手を握って歩き出す翔の横を一緒に歩く私…
小高い場所に出ると海が一望でき良い眺め…
私は思わず凄い!!
と言うと翔はこれからもっと凄い事が起きるんだよ!
と話してくれた。