嫌なアイツ
海莉ごめんね…
私は心の中で海莉に謝った。
奥の部屋へ行った三人を見て私は作業のペースを速めた。
この後、仏花や榊、三宝、墓花などをくくる作業が残ってたから…
苗花はアルバイトに掃除をさせてるので後でチェックを入れればいいだけの事だから…
水揚げも生花の水換えも終わり…
仏花をくくってる時に…
『愛莉さんは段取りがいいんですね!』
とアイツの声がした
まだ帰って無かったんですか?
と言う私に…
『翼と海莉ちゃんは今さっき家へ帰りましたよ。』
とアイツの返事。
なぜ一緒に帰らなかったのか?
と言う問いに…
『愛莉さんに花束を創って貰おうと思い帰って来ました。僕は今お客さんなんですよ。』
と言うアイツに…
私はいくら位のご予算ですか?
とお客さんに訊く事をアイツに言った。
『予算は1万くらいですかね?』
1万円か…
お花の指定はありますか?
と訊くと…
『無いですね。愛莉さんに任せます。』
と言うアイツの言葉に…
解りました。
と答え私は仏花をくくるのを止め花束を創る準備に取り掛かった。