嫌なアイツ




私は翔に意を決して記憶が戻ったのか?おそるおそる聞く事にした…



翔は…



『あぁ。戻ってる…戻ったよ!』



その言葉を聞いた私は翔の方へ走って行き凄い勢いで抱き付いて行った。


『ただいま…愛莉』


翔は私を力いっぱい抱き締め言った。



私は翔の首にしがみついたまま嬉しくて嬉しくて涙を流してお帰り!を連発してた。



店内だと言う事を忘れ私は大好きな愛しい翔の腕の中で…
翔の胸の中で…
ずっと泣きやむまで泣いてた。



『相変わらず泣き虫な愛莉だな…』


翔は笑いながらでも優しいまなざしで私の顔を観て言った。



私はいつ?
記憶が戻ったのか?

翔に聞いた。



『昶が写真を撮った時にフラッシュを焚いてただろ?あの時に全て…』


翔は短いキスを私にし言った。



昶(とおる)のお陰なんだ…


昶と言うのは私の弟の名前。



海莉と饗庭さんは?記憶が戻ってる事を知ってるのか?
聞くと…



『愛莉以外はみんな知ってるよ。』


翔がまたキスをして言った。



『ようやく…ようやく俺は愛莉を見付けた。泣き虫で強がりな俺の愛した愛莉…お前を…
無くしてた時間をこれから二人で埋めていこうな!
辛い思いをさせてごめん愛莉…』





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