嫌なアイツ
翔の言葉は私に取ってこんなにも長い月日を一瞬にして元に戻す…
そんな言葉だった。
翔は私に…
『愛莉?ぼつぼつ俺を離してくれないと皆さんの邪魔に成るし注目を浴びてるんだけどいいの?』
翔の言葉に私は我に返り…
翔に抱き付いたまま店内を見渡すと…
うぎゃ~!!
バイトやお客さんの目が全てこちらに向けられ一歩も動けない…
そんな感じで止まってた。
翔に早く言ってよ!と言うと…
『愛莉が抱き付いて来たんだろ?俺のせいに成るの?』
翔は笑いながら私を降ろし足元に居たカイザーとジュリアの紐を持ち私の手を引き奥の部屋へ向かった。
私は顔を真っ赤にし下を向き翔に引っ張られるまま奥の部屋へと行った。
椅子に座り…
まだ信じられないでいる私に…
『もう大丈夫だから何処にも行かないだから愛莉?安心していいよ…』
翔は私の目を観て言った。
本当に翔なんだ…
私の大好きな…
愛しい人…
また涙が零れた。
『愛莉?今日はずっと泣いてばっかりだね。でも愛莉のウェディングドレス姿、本当に誰よりも綺麗だった…』
翔は思い出すかの様に上を向き言った。