この勇気をくれたのは君だったよ
やめようか
ねぇ、直哉。
私ね、直哉のこと、
ずっと前から好き、だったんだ-…
『愛菜ちゃん、今日は?』
一人で空き教室に向かう途中で、橋本先輩に声をかけられた。
『橋本先輩、昨日言いましたよね。
私、彼氏が出来たから、もう先輩とは手を切りたいって、そう言ったはずですけど』
私の言葉に橋本先輩はクスッと悪魔のような顔で微笑んだ。
『愛菜ちゃん、それって嘘、でしょ?
俺に飽きた?なかなか彼女と別れないから…』
先輩の言葉に、
なに意味不明なことを言ってるのって、
本気で思った。
『だから何度も言ってますけど、彼氏が…』
そこまで言ったところで、私は先輩からのキスで口を塞がれた。
今までなら当たり前に受け入れていたし。
ぐずくず言ってる男を黙らせるのにいい手だと思って私がしてたこと-…
『愛菜ちゃん、俺ねー…。
愛菜ちゃんの為に彼女と別れてきたんだよ』
唇が離れ、先輩は何が面白いのか笑いながら話す。
けれど先輩の目は笑っていなくて-…
『愛菜ちゃん、責任とってよ』
先輩の言葉に、ゾクッとした。