この勇気をくれたのは君だったよ
『俺が悪い。彼女がいながらこんな関係を楽しんでたんだし?
彼女に問い詰められても言い返す言葉もねーよ。
けど、お前のこの身体が俺を乱したんだ…。
お前だけが幸せになるとかありえねーから』
先輩はそう言うと近くの男子トイレに私の手を引いて、入っていく。
『……先輩、あの……』
『愛菜ちゃん、愛菜ちゃんだって今の彼にちゃんと愛されてんの?
俺だったら遊んでばっかの女、本命の彼女にはしたくねーけど。』
先輩の言葉に、ズキッと胸が痛む。
『愛菜、お前みたいに堕ちた女は普通の恋愛なんて出来ねー…
なら、俺とどこまでも堕ちろよ…!』
荒々しい先輩の息遣いに、
荒々しい先輩の手の動き。
目に浮かぶのは、直哉。
“早く更生しろよ”と言った、あの時の直哉の顔が脳裏に浮かぶ。