この勇気をくれたのは君だったよ
『何?』
『私、直哉のことが好き、だったんだ…』
最初で最後。
君への告白はこれが最初で最後。
『…そっか。
けど、俺は…』
私は人差し指を直哉の唇に当て、その口の動きを封じる。
『吉住さんのことが好き、でしょ?
最初から直哉が吉住さんが好きなのは知ってたよ。
だから、どうにもならない想いを恋だと認めたくなくて、他の男を好きになろうと思ったんだ、私…』
そうしたら、気がついたら堕ちるところまで堕ちてた。
最初から直哉に想いを伝えられていたのなら、ここまで堕ちることはなかったかもね…。
私は本当にバカな女だ-…