この勇気をくれたのは君だったよ
この勇気をくれたのは君だったよ
それから月日は流れて…
私達は卒業式を迎えた。
直哉の隣には吉住さんがいて、2人は同じた大学へと進学する。
直哉と吉住さんの恋は穏やかな恋で、いつも日だまりのような優しさに溢れていた。
『愛菜先輩、はい、コレ!』
卒業式も終わり、それぞれが思い思いに写真を撮ったりしている中、あの日の後輩君が私に花束を差し出した。
『何、これ…?』
突然の出来事に戸惑う私に後輩君は強引に花束を私の体に押し付けた。
『先輩が受け取ってくれなきゃ、俺の格好が付かない!』
頬を赤くして、ちょっと怒った感じの後輩君。
『……ありがとう』
お礼を言い、受け取る。
けど、何故、後輩君が私に?
『先輩、順番は大いに間違えたけど。
俺、先輩のことが本気で好きだったから、先輩を抱いたつもりなんで!
だから…俺とちゃんと恋愛…してみませんか?』
後輩君の突然の告白に私は呆気にとられ、目をパチパチさせながら後輩君をしばしの間、見つめていることしか出来なかった-…
『先輩、返事!』
そう言われ、私は戸惑う。
だって完全に遊びのつもりなんだと思ってたし。