この勇気をくれたのは君だったよ



こんなに真っ直ぐな想いをぶつけてくれたの、私には直哉しかいなかった。



でも、私には直哉の他にこういう風に真っ直ぐな想いをぶつけてきてくれる人がいるじゃない…。




なんか、それが凄い嬉しい。

そんなことが私は心から嬉しい。








ねぇ、直哉。


直哉は堕ちていく私を受け止めてくれたね。





直哉がいなかったら、私は堕ちるとこまで墜ちてた、きっと。




だから、私を受け止めて、止まらせてくれた直哉はやっぱり私にとって大切な人。




だけどね、



私を引き上げてくれるのは、彼、だと思う自分がいるの。




私の手を引いて、前に進めさせてくれるのは、彼であってほしいと思うの。





『先輩、俺、先輩のことが好きです。

 先輩のこと絶対大事にする、だから俺と…』




私は自分の腕を後輩君の背中に回す。



後輩君はそれに気がついて言葉が止まる。










『矢口君、だったよね?』





『え、はい』








『私みたいなので良ければ、友達以上の関係から、お願いします』






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