横顔の君
結局、その日は三冊の同人誌を借りて来た。



一緒に出掛けて、品物のプレゼント交換、そして品物の貸し借り…
こうして考えてみると、私達の仲はわずかずつとはいえ、進展しているような気がした。



でも、進めるのはここまで…
そのこともわかってる…
あの人には好きな人がいるんだから…



だけど、それでもやっぱりすごいことだ。



もう誰のことも好きにならないって頑なに思ってたあの頃に比べたら、私はずっと進歩してる。
照之さんのおかげで前に進めたんだ。



昔の彼以上にずっと好きになることが出来て、そして私なりに勇気を振り絞って行動も起こした。
それが、今の状況を作ったんだ。



そうじゃなかったら、私は自分の想いを秘めたまま、たまに本を買いにいくことだけが精一杯だったと思う。
この恋が実らなくても、人間として進歩出来たんだから良しとしなくちゃ…



少々無理をして、そんな風に思った。



またしばらくしたら、照之さんをどこかに誘おう…
楽しい時間を共有しよう…



そう思っていたのだけれど、なかなか照之さんが興味を持ってくれそうなイベントがみつからず、気持ちばかりが焦る日々が続いた。



そんなある日のこと…

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