姉の思い出 短編集


そして時を経て、憧れの存在のように強い自分を手に入れたのだ。


その頃には、かつてのヒーローには憧れのかけらも残っていなかったのだけれど。


「いいよ。わかった司の好きにしたらいいよ」



これ以上、司の意志を尊重しなかったら、また誉め殺しが待っている。それだけは勘弁してもらいたい。確実に体力を削られていくからだ。



「やっと分かってくれたんだね」

嬉しそうに腕の中に抱き込まれて、鼓動がとくりと早くなった。


司フェロモンの効かない自分でも、女子であるなら王子様との甘いロマンスの夢も見てしまう。


まあ、司が飽きるまで付き合うのも悪くない。

司からしたら都合のいい女よけを見つけただけかもしれないし。


勉強に追われて、司がらみの面倒やら司がらみの女の戦いを調停にあたってきていたので、ここいらでちょっと真面目に勉強にあてる時間を確保したかったのもある。
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