男嫌いな私が好きになるわけない!

不思議な女(匠side)

俺は岡田 匠。中学2年生の、彼女ナシ。好きなヤツとかいない。ま、女遊びはちょこちょこしてる。
今日、ぶらぶら道を歩いてたら女がナンパされてるとこを見た。
通り過ぎようかとも思ったけど、まぁ暇だったから助けてやった。
女子のことだ。どうせ俺を見て、甘ったるい声を出しながら「ありがとぉ~☆」とか言うんだろ。
そしたら、この女はいきなり俺を睨んできて。
助けてやったのに、ありがとうも言わないで。
な、なんだコイツ…。
ま、男嫌いなのは見てわかったけどな。
どうせ明日になったら女子に質問攻めにあうだろ。俺には何の関係もないがな。
名前を聞いたら萌花っていうらしい。
一応連絡先も交換したし、俺が暇だったら助けにいってやっても悪くはねぇかな。
今まで会った中でこういうタイプは初めてかもしれない。
何か…新鮮っていうか、自分を飾らないっていうか。
俺は、萌花の頭に手をポン、とのせて帰った。
…あれ。何で俺こんなに女子に優しくやってんだ?頭をポン、なんてやったこともないのに。
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