素直になれなくて
「お待たせ」


「りっくん、久しぶり~

カッコ良くなっちゃって~」


「こんにちは」



張り付けた笑顔で、お母さんと話すこの男。


一応、私の幼なじみの野原リク。



小さい頃は、すごく仲良しだったけど
中学に入ってから、だんだん合わなくなって
いたから、ちゃんと合うのは2、3年ぶり?



私がじっと見つめていると、視線に気付いた
ヤツがこっちを向いた。



「久しぶり」



「久しぶり」



お母さんに向けていた、張り付けた笑顔は
すっかり消えて、私の心までも突き刺すような

真剣な瞳に言葉を失った…。








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