素直になれなくて
「リク、ココちゃん、行くよ!」


「はーい」



瑠璃おばちゃんの声で、ハッと我に返った私は
先に歩き出した、リクの後ろを追った。



窓際のソファー席に案内されて、
私とリクは、向かい合って座ることになった。



「嬉しい~ここのお店、来てみたかったんだよ

ね」


「やっと来れたよね~」



すぐにワイワイしながら、メニューを見ている
お母さんたちの隣で、私もリクも久しぶり過ぎて

緊張するし、会話もしないでメニューを
眺めていた。



「サラダバー付けるでしょ?」


「そうね。リクたち決まった?」


「あー、オレはサーロインステーキ」


「やっぱりね」


「ココは?」


「うーん…チキンステーキにする」


「じゃあ、頼みましょう」




注文する間、リクの視線をすごく感じて
顔を上に上げることすら出来なかった。



< 4 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop