嫌いじゃない。
もう帰っちゃ……
「ねぇ歩美ちゃん。今なんて言った?」
「え?」
「だから…何て言ったのか聞いての。
あんたらの方が猫撫で声上げやがって気持ち悪いんだけど。ねぇ?」
芹沢の困ったような表情はいつの間にか消えていて、氷のような冷たい目で女の子をみていた。
すぐさま芹沢のトコに駆け寄り、声を張り上げた。
「芹沢っ!何やってんの!」
自分の焦った声が下駄箱に響く。
「この女がっ瑞穂先輩のこと…っ」
「性格ブスなんて言われ慣れてるから平気だってば!ほら、その子の手離しなよ!プリン奢ってくれるんでしょ?」
「…………っ」