音ちゃんにお任せ
「最近・・・、バイトを増やしてて・・・。ほとんど家にいなかったんだ。無理させてたんだと思う・・・」
「そうですか・・・」
「兄ちゃんに、何かあったら・・・、俺どうしよう・・・」
結斗くんが苦しそうに呟きながら顔をうずめた。
「信じましょう。きっと、大丈夫です。一ノ瀬くんは、きっと」
何の確証もないけれど。
信じて。
しばらく待っていると処置室から一ノ瀬くんを乗せたベッドが出てきました。
頭に包帯を巻いていて、左腕にはギブスが巻かれています。
「兄ちゃん!」
「お兄ちゃんっ!」
結斗くんと冬深ちゃんが一ノ瀬くんのベッドに駆け寄る。
「先生・・・」
私は、その後に出てきた先生に声をかけた。