音ちゃんにお任せ



そうなんです。
こうして、一ノ瀬くんと由紀子さんが一緒の場所にいて並んでいると美男美女でとてもお似合い。

そのことに気づいて、私は一ノ瀬くんの側に行くのが少し申し訳なくなるくらいです。




「音ちゃんも、瑞己って呼べばいいのに」

「えっ!?そ、そんな、無理ですよ・・・」

「なんで?」

「い、今更ですし・・・」



ずっと一ノ瀬くんと呼んできたのを、突然変えるなんて・・・。
ずうずうしい気もしますし。



「瑞己も、音ちゃんって呼べばいいのにね」

「・・・あ、の。はい・・・」





一ノ瀬くんが、私を・・・。
なんだか、想像できません。



「ッと、仕事仕事」




由紀子さんはそう言いながらホールに出て行きます。
私も、しっかりと自分で動けるようにならなければ。

名前の事も、それからですよね!






< 238 / 290 >

この作品をシェア

pagetop