音ちゃんにお任せ
「あの、音ちゃん?・・・って、なんで敬語なの?俺たち年下だし・・・てか、俺たちが崩しちゃってるけど」
「いいですよ。敬語なんてなくしてください。私のは・・・、なんでしょう。クセですかね?敬語の方が話しやすいのです」
小さなころから引っ込み思案だった私は、友だちとフランクに話すということが何とも苦手で。
自然と敬語を使っていたら、それが定着してしまっていたのです。
「ふぅん・・・」
「あの!私たちも、音ちゃんって呼んでもいい?」
「はい!もちろんです」
「私は冬深でいいよ。結にぃにはふゆって言われてるし、どっちでも」
「え、えと・・・。じゃあ、冬深ちゃんで・・・」
「俺も、結斗でいいし、適当に呼んでくれたらいいよ」
「はい、じゃあ結斗くん」
わあ。
なんと、一ノ瀬くんの兄妹と仲良くなってしまいました!
ここに一ノ瀬くんがいないことがとても残念です。
「一ノ瀬くんは、バイトをされてるんですね」
「俺たちのためにね」
「え?」