音ちゃんにお任せ
「・・・歩けるか?」
一ノ瀬くんが勢いよく私の手を放し顔をそらした。
え・・・?
「あ、は、はい」
足は痛いけれど、そんなことは言っていられないですよね。
大丈夫です、やってみせます!
「たぶん、こっち方面だと思うんだ」
「た、たぶん・・・」
「俺も、あんた探してうろうろしてたからな」
一ノ瀬くんに、多大なご迷惑を・・・。
見れば、一ノ瀬くんのジャージの裾は泥に汚れている。
私のせいで・・・。
「っ」
え?
顔を上げる。
今、ポツって・・・。
ポツ?