音ちゃんにお任せ



「・・・歩けるか?」



一ノ瀬くんが勢いよく私の手を放し顔をそらした。
え・・・?




「あ、は、はい」




足は痛いけれど、そんなことは言っていられないですよね。
大丈夫です、やってみせます!




「たぶん、こっち方面だと思うんだ」

「た、たぶん・・・」

「俺も、あんた探してうろうろしてたからな」





一ノ瀬くんに、多大なご迷惑を・・・。
見れば、一ノ瀬くんのジャージの裾は泥に汚れている。


私のせいで・・・。




「っ」





え?
顔を上げる。
今、ポツって・・・。
ポツ?



< 82 / 290 >

この作品をシェア

pagetop