音ちゃんにお任せ
「あ、め・・・」
と思った時には、突然の大雨。
大粒の雨が私たちの身体に降り注ぐ。
「きゃ」
「こっち」
慌てる私の手を掴んで、一ノ瀬くんがどこかへ引っ張っていく。
たどり着いたのは、大きな木の下。
多少の雨宿りにはなる。
ここに来るまでにすっかり二人とも濡れてしまった。
「ついてねぇな」
「ごめんなさい・・・、わたしのせいで・・・」
なんと詫びたらいいか。
穴があったら入りたい。
私は、落ち込みながら鞄の中からタオルを取り出した。