紙ヒコーキと恋の行方
私が、彼のほうを向けば、ふと、顔に手を寄せられたのだ。
「……」
見つめられて、その瞳に吸い込まれそうになる。
なんだ、これ。
「あ、ごめ……」
佐々木が手をひっこめるのと同時に、わたしは顔を俯ける。
明らかにやばいのだ。
心臓の音が。
その音が、あまりにも早すぎて、今すぐに発作でも起こして、死んじゃうんじゃないかというくらいに。
ゴクリと、息を飲み込んで、そんな状態を押さえつけようとする。
「俺さ、山下のこと、好きだよ」
「……」