失恋ゲーム。
ただ、私は気持ちを隠す。隠せば全てが解決するから。
「っ、」
ねぇ、八尋。貴方はどうしてそんな苦しそうな顔をするの?
だって、私が“辛い”って言ったら八尋はもっと辛そうにするでしょう?
八尋は、仲間思いだから。それが長所でもあり、短所にもなるんだよ。
私は、生徒会室へと早く足を進めた。こんな気まずい雰囲気の中に居たくないから。
後ろから、皆がついてくる。苦しくなるのは嫌。だけど、大切な人が苦しむのはもっと嫌。
「ねぇ、皆。」
私は後ろを振り返る。
「そんな顔、しないで?私は本当に大丈夫だから。」
笑ってみせる。顔がひきつっている。だけどバレないように。
「結愛、」
「ん?」
「なんかあったら、頼れよ。」
静かに呟く。八尋は優しい。八尋だけじゃなく、皆。
「うん、」