失恋ゲーム。
小さい弱い声だった。私は弱いから。皆の優しさに漬け込んでしまう。
本当なら、強くなって。皆に心配かけないように頑張らなきゃいけないのに。
「結愛!」
元気な声が聞こえる。
「早く、生徒会室に行こうぜ!」
一瞬。ほんの一瞬だけ。瑠樹は悲しそうな顔をした。だけど、笑っていて。
「‥っ、……うん。」
“瑠樹”。その名前が言えない。喉に詰まってる。
苦しい、悲しい、怖い。沢山の思いが溢れる。
ポップコーンみたいに、火にかけられるような“きっかけ”があれば、私の思いは勢いよく弾け出す。
怖く、なる。いつかは、八尋達と離れなきゃいけなくなるかもしれない。
大切になった人達だ。別れが寂しくなるから。別れないように、精一杯の笑顔でいなきゃいけない。
それが、ちっぽけな私にできること。
私は、また皆の前で笑ってみせた。
*結愛side end*