失恋ゲーム。
「海って言ったら、隣町の海か?」
ナチは、そうお菓子を食べながら言った。最近よくナチは、喋るようになった。それが凄く嬉しくて、私たち女子に慣れてくれたのかな。
「うん、そうだよ。」
そう、斗真が素早く答えた。
「隣町…。車で行くか…瑠樹できるか?」
八尋は、瑠樹に車のお願いをするときいつも悲しそうな顔をする。まず、車の用意はいつも瑠樹で。瑠樹は車に乗ると必ず寝る。乗る前がどれだけ元気でも。
「…おう!」
元気に笑う瑠樹はどこもおかしくない。だけど───。悲しそうに映るのはなんでだろう。
「ありがとな。」
八尋はそうお礼を言ったけど瑠樹はただ笑っているだけだった。
