夏休みの勲章
「こんな所だったか武志?林に下りていく道が無いぞ。」


じゃり道の幅は、トラックより少しひろいぐらい。


左の窓のところには、僕の身長よりも大きな草がのびている。


右も同じく、見上げなければならないほどの草がのびていたけど、その奥には林がひろがっていた。


「間違いなく此処で良いはずだ。昔と違って人手が足りなくて、誰も草を刈ってないんだよ。だから子供達も此処には来なくなる。草は伸び放題だ。」


「俺達がガキの頃は、誰かが此処の草を刈っててくれたから、カブトムシを捕りに来れたんだな…。」
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