美男子の恋事情!
ひっく、と嗚咽を漏らして、今にも壊れてしまいそうな春香を更に強く抱き締める。
「馬鹿。一人になんてしねぇよ。俺がいるだろ?お前は俺が守る」
世界で一番大切な女性を、俺は守れなかった。
目を瞑ると今でも思い出せる。
麻里香の怒った顔。泣き顔。哀しい顔。そして、太陽のような笑顔。
失いたくなかった。
この先もずっと一緒に生きていきたかった。
麻里香がいない人生なんて何の意味もない。
いっその事、麻里香の後を追ってしまおうか。
そう思ってしまうぐらい絶望的だった。
でも、俺がいなくなったら春香のことは誰が守る?
大好きな父親と姉を一気に亡くして、母親は重体。いつ帰ってこれるかわからない。
頼れる親戚もいない。
不安と悲しみでいっぱいの春香を守れるのは、俺だけだ。
麻里香の分も、この命に代えて俺が守る。