美男子の恋事情!

麻里香をちらっと見ると、麻里香は頬を赤くしながら嬉しそうに微笑んでいて。


俺にまで麻里香の赤さが移った。



「まぁまぁ。お幸せそうで私まで嬉しくなります」


「はは。お恥ずかしい限りで…」


「私がウェディングプランナーになったのは、お客様の幸せそうな笑顔を見たかったからです。お二人の笑顔は私の宝物ですわ」



ふふふと皺を寄せて笑う金田さん。


この人はベテランウェディングプランナーで、俺達の結婚式のプランニングをお願いした。



「お式まであと二週間。ドレスのサイズ直しが間に合って安心しました。あとは当日を待つだけですね」



そう。俺と麻里香は二週間後、麻里香の25歳の誕生日に結婚する。


……はずだった。





打ち合わせを終えた俺達は、その足で新居の買い物に出掛けた。


結婚式もそうだけど、引っ越しまで日がない。


なんだかんだマンション選びに悩んで、引っ越しは結婚式から一週間後になってしまった。


家電はほとんど揃えた。配送も引っ越しの日にしてもらうように手配済みだし。


残りは家具だ。


箪笥、ベッド、テーブル、食器棚など必要な物は全然買えていない。


< 95 / 145 >

この作品をシェア

pagetop