紺色の道が終わる場所[短編]
今日で


紺色のブレザーともお別れ
学校ともお別れ
友達ともお別れ


でも、そうじゃなくって、そんなことよりも


今日で


彼女とおそろいの紺色のブレザーともお別れ
彼女と通う学校ともお別れ
彼女と通うこのコンクリートの堤防ともお別れ


彼女と過ごす日常との、お別れ


僕まで泣きそうになりながら、
だけど男だからと、こんなときだけ強がってみる。


あいにいくよ、とか
休みの日は必ずあおうね、とか


僕の口はとりあえず、未来を語ってみる。
だけどなんだか違う気がした。


彼女が泣いているのは今で
僕が心で泣いているのは今だ。



「大丈夫。大丈夫だよ、僕らは大丈夫」



だから僕はそんなことを言っていた。
だってそうじゃないか。
今泣いている彼女は、きっと大丈夫。
そのぬくもりを抱きしめる僕だって、きっと大丈夫。
今、とても悲しいけれど、大丈夫だよ。


だってこんなにあったかい感情を、僕らは共有しているんだよ。
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