*武士の花*~花は桜木、人は武士~


……なんの意地を張ったのやら


3人にクスクス笑われる


ビクッと渉の肩が上がる


渉「戦が……たくさん死ぬ……」


怖がって、俺にしがみつく

夢で先を見ているのだろう

喋れるようになったのか…

あ… さっき鳴いたか

余計なことを考えてしまう



小「実はな、記憶を消す前に、渉未に言われたんだ
年明け戦があるんだと……
その前に、お主らに会い
今は、戦えない近藤を大阪城に
匿って欲しいと頼まれていた
付き添い役として、沖田を指名していた
土方! 戦の指揮は、お前がとってくれ」




土「承知致しました」

やはり……

近藤さんが撃たれたのも、この戦を懸念した幕府側の打ち合わせの帰り

小「土方、京の民を戦に巻きこまぬように、策を練っておけ!!」

土「はい」


近「もののけになったって、変わらないな……渉は、人が好きだからな」

沖「ふふふっ かわいいですねぇ」



2人に撫でられて、すっかり寝付いた



布団を置くと、酷いことになるらしく
床に渉を下ろす

猫みたいに、丸まってスヤスヤ

あ……猫だっけか?


土「小栗様、渉は完全なもののけではないはずです!!」

小「???その根拠は???」

土「お守りです!!!
父親は、触ることも出来なかったと…
しかし、渉はお守りを懐に入れたまま…」

小「土方……渉は、自らこの道を選んだ
もののけに、なりたかったわけではないが、本物の渉が人として、幸せに生きれるなら、嬉しいそうだ……」


小栗様も、入れ替わりのことは知っていた


小「俺は、このまま猫でいいと思う!!」



そうかも

なんて、思えるのも

この寝顔のせいだな……







人の事ばっかり考えて、自分から

猫になるんだもんな……



俺……猫も好きになりそうだ






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