*武士の花*~花は桜木、人は武士~

年明け 3日 開戦


渉の見た通り、たくさんの人が命を落とした

人数で勝る俺達だが、激しい銃撃戦に
敵に近寄ることが出来なかった

苦戦を強いられる中

事件が起こった










俺と離れた場所で、指揮をしていたはずの
永倉が渉と走ってこちらに向かっていた

どうしたんだ? っと、よそ見をしていた



バァーーーーーーーーーン



銃声とともに俺は、永倉に押し倒された



バタン バタン


俺の目の前で、銃弾が山崎の肩を貫通し

俺と永倉を庇った、渉に当たった


少し先に、俺を打とうとした七重が

ゴトリと銃を落とした



俺を殺そうとした?



渉は、即死だった

お守りと一緒に、心臓を撃ち抜かれたようだった


七「渉?」


烝「すまん!!七重!!うっ 堪忍… 」


ペタリと座り込む、七重に山崎が肩を押さえ、近づく

七「なんで?」

烝「お前のせいやない!!
俺がちゃんと止めるって、約束してたのに……堪忍な?」

七「すっ 烝さん!!手当てしないと!」

正気を取り戻したらしく、慌てだす

ボーーッとその様子を見ていた



永「しっかりしろよぉ!!土方さん!!」

土「どうなってんだ?」

永「渉が記憶取り戻して、土方さんが危ないから、手伝ってくれって……」


渉……


悲しむ場合なんてなくて、あっという間に
その場に火が迫り、渉の亡骸は炎に包まれた

怪我をした山崎を永倉が抱え、俺は七重を抱えて走った


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