幼なじみはアイドルの先輩
俺の知らない間に桂木は矢継ぎ早に決めるなあ。


「仕事の話はこれぐらいにして、実家に戻ります。杏ちゃんから頼まれてることがあるので」


「頼まれてる?」


「仕事関係ではないですよ。杏ちゃんのプライベートに関することです」


「そうか……彼女も20歳になったし、俺がとやかく言う必要もないしな」


2人揃って席から立ち上がり、小山内が伝票を取ろうと手を伸ばそうとしたが、俺の手が早かった。


「ここは俺のおごりってことで」


「申し訳ないです」


「謝る必要なんてないぞ」


1階へ降りてレジで精算してると光宏がまたジロジロ見てるよ。


「あの……、お客様」


「え?私ですか?」


「シロップが唇についてますよ」


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