お前、可愛すぎて困るんだよ!
もちろん、心の中でなんだけど。



「――ったく。
そのドジさも可愛すぎる」



クスクス笑いながら、もう一度、片倉くんはジャケットを妃莉に差し出した。



「妃莉ちゃん、寒いでしょ。
コレ、着てな」



「え~?
大丈夫だよ~、妃莉……」



そう言ったとたん……。



――くしゅん。



くしゃみが出た。

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