二百文字小説【小さな玉手箱】
《14.近未来人情》

 仕事前に仲間にドリンクを一本渡す。

 文句を言わない奴なので、クレームが趣味の客から連絡があった時には助かる。

「B地区の三番ブロックで客がお待ちだ」

 そらきた。俺は仲間の肩を叩いた。

「わかりました。行ってきます」

 人類が金星に移住してから二百年経つ。

 太陽が近いここはソーラーカーが主力の足だ。

 液体燃料を口に入れた最新ロボットの仲間はソーラーカーに乗りこんだ。

 俺も行くか。人情に厚い人の相手は人間に限るからな。
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