二百文字小説【小さな玉手箱】
《22.無礼講》

「今日は無礼講だ。遠慮なしにやろう」

 忘年会、社長の音頭とともに乾杯する。

 次々と腹の中におさまっていく料理たち。空のビンも並んでいく。

「ちゃんと飲んでいるか。無礼講なんだから飲め」

 席の隅で飲んでいる者をつかまえた。

「しかし、車の運転が」

「運転代行を頼むといい。社長が言ってくれたのだから飲もう」

 それで忘年会は終了――

 正月休み後の新年の挨拶で驚いた。

「今年から新社長となる者です」

 知らない顔ではなかった。
< 22 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop