二百文字小説【小さな玉手箱】
《26.陰の実力者》

 社長は自由奔放で秘密主義だ。

 いつも秘書である私は振り回されている。

「社長、次のスケジュールは京都です」

「あいている時間はあるか」

 社長の女癖だ。奥さまに知られたらどうするのだろうか。

「会議後の一時間だけあります」

 けれど私は社長秘書。会議に向かう社長を見送るしかない。

 数時間後、社長は誰かに電話をかけていた。

「逢えない? 理由は言えないって? 怖いって何が?」

 私は奥さまからも絶対な信頼を得ている秘書である。
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