二百文字小説【小さな玉手箱】
《29.休日出勤》

 休日出勤することになった。

 世間が休みだというのに、自分だけだと思うと気が重い。

「パパ、いってらっしゃい」

 娘の笑顔に送り出されて会社へ向かう。娘のために頑張ろう。

 それでも帰る頃は夕焼け空だ。娘と遊んでやりたかったな。

「パパ、お帰りなさい」

 改札口を通った時に声が聞こえた。見ると娘と妻だ。

「久しぶりに外で食べようかって話になったのよ」

「パパが好きなものでいいよ」

 遠くで帰途に就くカラスの鳴き声が聞こえた。
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