二百文字小説【小さな玉手箱】
《30.限定ヒーロー》

 妹は一歳。話も歩くのもできるようになったばかり。

 僕はお兄ちゃんだから、妹を守らないといけないんだ。

 僕の好きなヒーローは困っている人を助けるんだから。

「あー」

 公園で遊んでいると妹の声。お母さんが目を離した隙に水溜まりに入ったみたい。

 足元も両手もびっしょりだ。

「僕がタオルを持ってくる」

 ヒーローみたいに速く走って、疲れてないって顔して持ってきたタオルを渡す。

 そう、僕はヒーロー。明日も妹の笑顔を守るんだ。
< 30 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop