二百文字小説【小さな玉手箱】
《33.ご本人さま》

 仲間に音痴なんだから上達しろよと言われた。

 歌うのが苦手な俺は、努力しないといけないのだろう。

 カラオケに行っては、一人で歌うのが日課となった。

 それでも得点は低い。挫けそうになる。

 俺には才能がないんだ。ところがある曲に変えると高得点が出た。

 嬉しくて何度も歌う。これを自信に変えて頑張ろう。

 ところが次の日、雑誌に載った。

『あの歌手が持ち歌を熱唱』

 落ちこんだんだから仕方ないだろう。少しくらいいいじゃないか。
< 33 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop