二百文字小説【小さな玉手箱】
《38.仮初の信頼》

 私は秘書だ。先生は人徳があり、応援者がついてまわる。

「先生、お願いします」

「少ないですが、これは気持ちです」

 絶対に食べるには困らないから、私を信じてついてこい。

 先生の言葉は今でも忘れない。

 ところが新聞に載ったのは、全て秘書がやったことですという文字。

 黙っていたら後も保証すると言われた私は、先生の責任をとって法廷に立つ。

 一体、何を信じたらいいのだろう。

 確かに、ここでは食べるには困らないだろうが……。
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