二百文字小説【小さな玉手箱】
《57.譲れない座》

 今日も雪が降るという予報だ。

 いつになったら春がくるのだろうか。憂鬱になる。

「おじいちゃん。雪だるまつくって」

 孫に頼まれるが、雪かきで筋肉痛だ。

「お父さんにつくってもらいなさい」

 しぶしぶ頼みにいく孫の背中を見送ると、会話が聞こえてきた。

「雪だるまをつくるか」

「わーい。お父さん一番目に好き」

 お年玉をあげた時は、一番目はおじいちゃんと言っただろう。

「わしはかまくらをつくるぞ」

 思わず炬燵から出てしまった。
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