二百文字小説【小さな玉手箱】
《59.父の応え》

 不景気の煽りで就職活動も厳しくなった。

 面接するたびに落されるだろうなと悲観的になってしまう。

 重い足取りで電車に乗ると肩を叩かれる。見ると会社帰りの父だった。

「お前も帰りか。面接どうだった?」

「空振りばっか」

「そうか。俺も認められないで苦労した時があったな」

 家でゴロゴロしているだけの親父なのに意外だ。

「父さん。仕事って大変?」

 聞いた俺に笑うだけ。

 何だか悔しいな。親父に負けない社会人になろうと思った。
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