二百文字小説【小さな玉手箱】
《65.店頭販売》

 買い物に行くと店頭販売をしていた。

 力も技術も必要なく使えるスライサーと言って実演している。

 筋入りの新生姜も薄く奇麗にカットされていく。

「これを酢漬けにすると、お寿司屋のような美味しいガリができます」

 更に販売員は女性を指名してスライサーを使わせた。

「これ使いやすいわ。ひとつ頂戴」

 発言を皮切りに次々と売れていく。私も衝動買いしてしまった。

 その一週間後、同じ女性が指名されて実演しているのを見てしまった。
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