二百文字小説【小さな玉手箱】
《66.延長コード》

 我が家には家電製品が多く、延長コードが床に這っている。

 引っかかって危ないなと思いつつも、そのままにしてきた。

 しかし、義父が他界したことで義母と住むことになった。

 この状態で義母を迎え入れたら、引っかかって大怪我しかねない。

 結束バンドで纏めて金具で壁に留める。

 作業を終えて一息吐くと妻が言った。

「お母さんに言わないと」

「お礼がほしくてしたんじゃないよ」

「私が言うの。お母さんのお蔭でやってくれたのよって」
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