二百文字小説【小さな玉手箱】
《69.電子書籍》

 俺が書いた小説が電子書籍化することになった。

 ばあちゃんっ子だった俺は一番先に祖母に連絡する。

「あのさ。俺の小説が電子書籍化されるんだよ」

「おめでとう。読みたいわ。一冊送ってくれる?」

 機械音痴な祖母なので、話の要領を得ない。

「サインもお願いね」

「いや、ばあちゃん。そういうのじゃなくて。携帯電話持ってる?」

 最終的に携帯電話を買ってあげることにした。

 出費だったけど、一番読んでほしかった読者は一人確保だ。
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