二百文字小説【小さな玉手箱】
《75.録画映像》

 久しぶりに里帰り。

 歩きはじめたばかりの息子とともにデジタルカメラも持っていく。

 録画をしているので、両親も楽しんでくれるに違いない。

 早速、到着して動画を見せると父と母は動く孫の姿に夢中になった。

「頑張って立って。もう少し」

「危ない。転ぶぞ。何をやっているんだ。助けないか」

 過去の映像だから応援しても仕方ないのに、声を上げて興奮する両親。

 その後ろで仏壇の饅頭を取ろうとしている我が子。

 こっちの方が危ない。
< 75 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop